2018年12月28日

マーヤ (昨日の記事にもつながる話)

昨夜は久しぶりに友人と夜遅くまで飲んでいた。

外に飲みに行くのは久しぶりだ。


那覇の歓楽街にある店のママさんは、東京の講演会に何度も足を運んでくれている人で、毎日このブログを見てくれているのだと言う。

品のいい素敵な店だ。


一緒に行った友人は一番気心が知れている仲間だが、僕とは真逆の人生を生きてきている。


僕は人を使うのも人から使われるのも嫌いで、生まれてこの方ずっと自由業で生きてきた。

政界や財界には誰一人僕に注目する人はいないし、社会的な影響力もない。


一方の彼は大企業を率いる突出した成功者で、国会議員さえも彼の前に来ると平身低頭だ。



そんな二人が仲良しなのは他でもない、人生の真実に対する理解が一致しているから。


何が大切で何が幻想なのか、時間を忘れて話し込んだことも10回や20回ではない。

昨夜も気が付ついたら夜中の2時を回っていた。



どれくらい飲んだのか。

そういえば今朝は少々頭が痛い(^^;)



昨日その彼から面白い話を聞いたのでみんなにも紹介しよう。


成功者がこの手の話をすると奇妙な味わいがある。





ある所に双子の姉妹がいた。

二人とも器量よしで男たちの憧れの的だった。


やがて二人は、それぞれに相手を見つけて結婚した。

姉が選んだ相手は大富豪で、彼女は何不自由のない生活をすることになる。

欲しいものは何でも手に入ったし、お世話係の従者もいた。



一方、妹が選んだ相手は売れない絵描きだった。

その絵描きは自分の才能が世に認められないことで自暴自棄になり、毎日酒を飲んでは荒れて、最愛の彼女にまで暴力を振るうようになる。


嫁入りの時に持ってきた着物も家財道具もすべて売り払い、どん底の極貧生活を続けるしかなかった。

朝早くから夜遅くまで働きながら、何とか生き延びるだけの毎日だった。



それから何十年もの月日が流れ、お互いの連れ合いもこの世を去り、二人の姉妹は久しぶりに実家の縁側に座って、幼いころ一緒に遊んだ庭を見ていた。


彼女たちも、すでに80歳を超える年齢になっていた。


マーヤ (昨日の記事にもつながる話)


実家の庭は昔と何一つ変わらず、あの頃のまま。

色とりどりの花の周りで、蝶々が戯れている。



その時、二人に突然、言いようのない気づきが訪れた。

何が起きたのだろう。



目の前には、ただあるがままのいまがあった。


これ以外は存在していないことを二人は明らかに理解した。



しばらく沈黙の時が過ぎた後、姉がポツリと口にした。



「どんな人生を歩んでも、結局は同じね」



それを聞いた妹は静かにうなづいた。





たったこれだけの話だ。

しかしこの話の中には、とてつもない真実が隠されている。


ヒンズーの人たちは、これを「マーヤ」と呼んだ。


人生はマーヤ(幻想)だ。




マインドには決して理解できない話だが、完全にいまここに帰った時、このことがわかる。


そして過去という荷物が一切合切抜け落ちるのだ。




人々の苦しみが少しでも消えて無くなりますように。



全ての人が、いまここにある祝福に気づきますように。




・・・・・・・・・・



【お知らせ】


昨日の朝日新聞の一面下段に、新刊の広告が載っていたそうですね。

誰か持っていたら見せてください。


「あなたが知らないあなたの話」(阿部敏郎&雲黒斎)


本の内容をより立体的にお伝えするために、阿雲の二人が3都市を回ります。


1月20日 大阪


1月26日 名古屋


1月27日 東京



どうぞ気軽にいらしてください。










Posted by Toshiro Abe at 10:01│Comments(36)
この記事へのコメント
「私」の苦しみが、少しでも消えてなくなりますように。。
Posted by ようこ at 2018年12月28日 10:20
この世は幻想、終わってみればただの夢。
でもこれは、阿部さんから教えてもらったこと、、、

一度でいい、一瞬でいい、覗いてみたい、、、

でも、求めてもどうしようもないのでしょうね。


今日も、実践しますよ~


今日は説教なしでしたね。(笑)

今日もありがとうございます!
Posted by ひろし at 2018年12月28日 10:29
https://book.asahi.com/sanyatsu/TOP/ADT20181227.html
ここに載ってますよ。
Posted by Q at 2018年12月28日 10:32
「思い出を大切に」

「夢を大切に」

思い出と夢はまったく同じものなのに、思い出と夢は別物だと私達は思っています。

幻想は大切だと思わないけれども、その幻想が思い出や夢であると思えた瞬間,大切なものとして心惹かれます。

そして、思い出と夢は後生大事にするのに、いまこの瞬間は大切なものとして扱われない。

思い出も夢も、いまこの瞬間に立ち現れた幻想であるにも関わらず。
Posted by 模察模察 at 2018年12月28日 10:58
みなさんコメントありがとう(^^)

そしてQさん、情報ありがとう。
Posted by Toshiro AbeToshiro Abe at 2018年12月28日 11:19
いい話ですね。
Posted by Lone Ranger at 2018年12月28日 11:29
むかしむかし、インドに偉大な聖者と弟子の青年がおりました。

あるとき青年は聖者に
「師よ、わたしにこの世は幻影であることを教えてください!」
とお願いしました。

その後しばらくしてから、聖者は青年をつれて旅に出ました。

旅の途中休んでいるとき、聖者が青年に
「喉が渇いた。水を持ってきてくれないか?」
と頼みました。

青年は水を求めて、聖者のもとを去っていきました。

しばらく歩いていると青年は家を見つけて、家に向かって
「どなたかいませんか?水を分けてほしいのですが」と呼びかけました。

すると家の中からたいそう美しい女性が出てきて、二人はその場で恋に落ちてしまいました。

青年は師のことなどすっかり忘れてしまい、そのままその女性と結婚してしまいました。

青年はその女性との間に男女一人ずつ子供が生まれて
とても幸せな家庭生活を営み続けました。

子供が生まれてから何年も幸せな日々が過ぎていきました。

あるとき、その地方に大雨が降り続け、大洪水が襲ってきました。

洪水に襲われる中、青年は必死になって家族と手をつなぎ合っていたが
自分以外の家族は洪水に飲まれて、自分ひとりだけが助かりました。

青年が愛する家族を失って、絶望のどん底で号泣しているとき、声が聞こえました。

「いったいお前はいつになったら水を持って来てくれるんだ?
わたしがお前に水を持って来てくれと頼んでから三十分もたっているのに。」

なつかしい師のやさしい声だった。

「さ、三十分だってぇ?!」
と青年は心の底から驚いた\(◎o◎)/!

師が
「師よ、わたしにこの世は幻影であることを教えてください!」
という弟子のお願いを叶えたお話でした。

~ インドに伝わっているお話 ~
Posted by 大空(おおぞら)大空(おおぞら) at 2018年12月28日 11:55
このままでいいんだ……

なんだかホッとします。
Posted by 楊子 at 2018年12月28日 12:26
いつもありがとうございます。

…「幻影」はその中にいるとそれが「幻影」だとわからないのですね。そして頭で「幻影」だとわかっても、「そこから離れたい」と思ってもその思いも「幻影」でしかない。
…なんだか笑えてきました。
そう言えば阿部さんはしばしば仰いますね。
「人生が幻影であると気がつくと笑うことしかできなくなる(だったかな)。」と。
まだ気がついたとはとても思えませんが、今日はしばし笑えました。

ではこれからも書きたいことをお書きください。
Posted by TSY at 2018年12月28日 12:44
自分の首を自分が絞めている、と気づけば

自分の手をパッと手放すことが出来ます…



今の時代は…

過去があって現在があると信じられているわけですが

実は、過去というものは現在において創り出されている

と見抜かれた時に

イヤな過去であれば

もうこれ以上考えなくてもいい、振り返る必要はないんだ

とわかる…

そんな感じでしょうかね

マーヤ☆マーヤ☆

ありがとうございます
Posted by 甲賀忍者 at 2018年12月28日 13:03
泣ける〜
Posted by 全田ワタル at 2018年12月28日 13:05
阿部さん、こんにちは。「どんな人生を歩んでも、結局は同じね」このセリフにうるっときました。人生はマーヤ(幻想)。そうだったのですね。しかし私は、もうちょっと生きないとしっくりこないでしょう。早く今ここにある祝福に気づきますように。今日も良いお話、ありがとうございました。
Posted by 永井新吾 at 2018年12月28日 13:19
再び、すみません。東京公演、うかがいます。楽しみにしています。後、今日の大空さんのお話がとても楽しかったです。
Posted by 永井新吾 at 2018年12月28日 13:38
☝「あなたの知らない・・あなたの話」

そもそも、知ろうとすることが起きないし、

起きたら起きたらで、リアル(現実)と思ってる神の体験の夢行為がぶち壊し?

極端な話、もし、それが行き渡ったら、宇宙や世界が無くなっちゃう?

気づいて、分かって(悟って)、やっと自覚ができても、、

それが夢を忘れる(手放す)ということに繋がるから、元(初)に戻るだけ、

そして忘れている(知らない)がゆえにまた、夢の描き直し。。

さあ、今度はどんな夢/(現実)を見てしまうのだろうか?
Posted by y-be at 2018年12月28日 14:08
IKKOさんの「ま~ぼ~ろ~し~!」が大好きな理由が
わかったような気がします(´▽`)
Posted by さざ波 at 2018年12月28日 14:14
全ての『苦しみ自身』が、いまここにある祝福に気づきますように。

ほんとは、知っているはずなんです。
知らなければ、『苦しみ』として現れる原因なんて無いはずだから。
それを忘れてしまうと、『苦しみ』としてしか居られないんです。
少しでも『思い出す』と、思い出した分だけ、思い出した方に意識が向いて、
『苦しみ』が和らぐ経験は、何度もしているので。

つい最近、そんな『苦しみ』たちに向かって、あまりにも上から目線だったことに気付きました。
「はいはい、それ勘違いだから、天に還ってほんとに望んでること思い出してきてねー」
と、雑に扱ってしまってました。
『この自分自身』だって、『苦しみ』たちが、本当に望んでいることなんて、何一つ知らないのに・・・・・
『苦しみ』が湧いてきたり、反応するのは、『他ならぬこの自分自身』がズレているからなのに・・・・・
と気付いて、反省しました。
なので、一旦天に還ってもらうのは変わりませんが、ただ素直に

「本当は何を望んでいるのか、思い出したら教えてね」

という感じで、『苦しみ』たちに接することにしました。
この気付きで、少しは『この自分自身』が、謙虚さを思い出せますように・・・・・

・・・・・この記事の物語の、お姉さんが気付かれたことも、そんな感じなのでしょうか・・・・・?
Posted by ただの「自分」 at 2018年12月28日 14:37
>昨日その彼から面白い話を聞いたのでみんなにも紹介しよう。
>成功者がこの手の話をすると奇妙な味わいがある。

でも、これもマーヤ(幻想)しょ!?
Posted by アロエベラ at 2018年12月28日 15:11
双子の姉妹のお話から、
伝わってくる真実の感じが楽しいです。(^_^)
なんだかひとまず安心しました。
Posted by 上地 at 2018年12月28日 16:45
頭の中の世界がなければ
みんな ハッピッピですね

ハッピッピ ₍₍ ◝(●˙꒳˙●)◜ ₎₎
Posted by 薄茶色 at 2018年12月28日 18:33
あー、なんか少しだけそこの空気を感じました。辛いも甘いも苦いもしょっぱいも。ただ味わうためにこの世に来たのか…
いつもありがとうございます。
Posted by KOO at 2018年12月28日 19:20
しっとりした気持ちになりました。

好きな勝手生きて、たまに何も起きてないなと思いながら生きようと思いました。
Posted by pino at 2018年12月28日 19:42
いい話だ。

「どんな人生を歩んでも、結局は同じね」

こんなことを言えたら、いいですね。

生きてるうちに気づくのか

死んだら気づくのか

死んでも気づかないのか
Posted by rakuni... at 2018年12月28日 21:40
かみさま


あべさんの夢を見させてくれてありがとう


私の感覚なんですけど、かみさまが見たがってるみたいです(*^_^*)
Posted by ようこ at 2018年12月29日 00:10
いつもありがとうございます

それぞれが演じている自作自演のストーリー

それに、「だから何?」とツッこんでいる「私」

投影したストーリーを無力化しようとする「私」

見抜いてもその無常の前に無力な「私」

幻想を見抜くことはできても、真実を知る「私」はいない。
Posted by まっす~ at 2018年12月29日 01:32
よなよな、禅サンガweb講演会をもう一度見てました
私、きっと、阿部さんが好きなんじゃなくて、仏性?本当の面目?が好きなんだと思いました。笑

ここには仏性しかないから、惹かれたのですね。

なぜ阿部さんだったのかは、ご縁だと思いますが。

私は昔からオタク気質ではありますが、仏性オタクも加わったんだなと思ったら笑えます。笑
でもそれくらい、このことは、ほかのことと変わりがない。笑
それが起きているだけだから。

いまのところ、web公演は、なんとか這いつくばって(笑)参加しています!鬼の形相で9時に備えています。笑
サンガは後から好きな時間にいつでも見れるので、ただのズボラでさえ救われています✨‍♀️笑
Posted by 薄茶色 at 2018年12月29日 01:45
外側が思い通りにいかなくて困る事はなくなりました。
期待もない。
それがいい感じになってます。
Posted by 希有 at 2018年12月29日 07:06
>成功者がこの手の話をすると奇妙な味わいがある。

ただの想像ですが、↑と同じ感想を持ちました。
ひょっとするとご友人は姉妹と同じような経験をされたのかな。
そうするとこれは真実なのでしょうか、と興味が湧きました。
Posted by yun at 2018年12月29日 08:03
皆さんおはようございます。

親友二人と姉妹二人…いい話でした。

ただの「自分」さん
苦しみも愛することが出来たら
この世は 愛で溢れるのかな?
(*^ー^)ノ
この先が楽しみです。
Posted by まめ at 2018年12月29日 08:57
尊敬する智子さまのガヤトリーマントラを聴いていましたら、
♪ま~や~ま~や~っと聞こえました。
幻想、幻想って歌ってるのかな。
違うかな。
Posted by Hata at 2018年12月29日 09:08
生身の人間ですから、結果的に同じでもそのプロセスにおいては、
辛い(と感じてしまう)し、長い(と感じてしまう)ですよね。
Posted by かね at 2018年12月29日 09:13
人生は幻と頭ではわかったつもりになっても、腹でわかれないこの歯痒さ。
気づけない大多数の我々にとっては、またそのような言葉も幻に感じてしまうのだなぁ。
Posted by 大吾 at 2018年12月29日 11:54
幻想にどっぷりはまって生きています。悲喜こもごも。
Posted by きゃさりん at 2018年12月29日 14:30
どんな現れ方も結局は同じエネルギーの現れ。
エネルギーの大元の出所はひとつ。
Posted by kaiyakawasaki at 2018年12月30日 08:14
これからは私と誰かを比べなくていいから、ラクダ
さんになりました。

このお話、今読んでもやはり意味がわかりません。
でも、気にしない。
分からないのは今分からなくていいからなんだろう。
Posted by ラクダ at 2018年12月30日 08:28
まめさん

>苦しみも愛することが出来たら
>この世は 愛で溢れるのかな?

これなんですけど、
皆さん、大事な人の苦しみに対しては、ものすごく敏感に気付かれて、
気遣い、いたわり、愛されるじゃないですか?

『自分の苦しみ』に対しても、そのように接して、バチは当たらないんじゃないか?
と思うんです。

他の人に対して優しい人ほど、自分に対しても、同じくらい優しくあって欲しい、
と思います。

ちなみに自分はと言うと、以前は周りから「空気読め」扱いされてましたが、
自分の思考や感情の動きを観察し続けているうちに、
比較的周りの人達の状況もわかるようになってきた気がします。
きっと、『優しさ』に限らず、『他人だけ』、『自分だけ』、どっちに偏っていても良くなくて、
どっちにも優しくあれて、初めて『全体』とか『つながってる』感とかを
感じられるんじゃないかな、て思ってます。
Posted by ただの「自分」 at 2018年12月30日 20:46
一年前の記事を今日読みました。
何故かわかりませんが、涙が溢れて溢れて止まりません。
え〜〜〜〜〜〜〜ん
Posted by とーしぇん at 2019年12月14日 11:58
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