2007年07月13日

予知の声




台風が来るたびに思い出す。

嵐の中で野外コンサートを決行した3年前の「くるくまの夜」が忘れられない。




この話は機会あるごとに多くの人に話してきた。


それくらい僕にとって大きな出来事だったし、見えない何かの力を認めざるを得ないような経験だったからだ。




もしこの先人生で道に迷い、暗闇で手探りするようなときが来ても、このときの出来事が一筋の光となって道を照らしてくれるように思う。




詳しくは去年の9月17日の記事「かんながら・月光編」を読んでみて下さい。


そんなわけで、この嵐の中で神に思いを馳せている僕でした。




それにしても凄い風だな。


かなり頑丈な作りの家が揺れている。



後でまた書けるようなら台風報告します。








今日もよろしくお願いします

  

Posted by Toshiro Abe at 07:48Comments(7)TrackBack(0)随(かんながら)神

2007年02月03日

随(かんながら)神




このブログと並行して書いている随(かんながら)神も、ついにいろんな秘密が解かれる段階に入ってきたよ。

まだ読んでいない人は一度覗いてみてね。


ここで伝えたいメッセージを、実話を基にした物語形式で描いていて、僕もここまでを読み直してみたけど、けっこう面白かったよ。



明日の日曜日はゆっくりブログ読書でもいかが?


アドレスは
http://orionza.ti-da.net





続いては「いまここ塾」のお知らせ


那覇に引越しが決まったから、前倒しで一時那覇に会場を移したけど、引っ越すまでの間は、いままでどおり中城の吉の浦会館でやらせてもらうことにしました。

3月の始めに引越しをするので、それまでの短期間の開催だよ。



2月6日の火曜日、夜8時から。

入場無料


駐車場もたくさんあるからね。
気軽においでニコニコ  

Posted by Toshiro Abe at 19:28Comments(6)TrackBack(0)随(かんながら)神

2006年12月29日

読んでね




もうひとつのブログもおかげさまで好調なスタートです。

どうもありがとう m(_ _)m



それは実話を基にした連載物語なんだけど、今日はその3回目。



龍村仁さんの映画に出てくる宇宙飛行士、ラッセルシュワイカートさんの体験談が出てきます。


とても大切な話で、みなさんに読んでいただきたいので、再度ブログアドレスを紹介します。



随(かんながら)神

http://orionza.ti-da.net/  

Posted by Toshiro Abe at 10:03Comments(1)TrackBack(0)随(かんながら)神

2006年12月28日

あっというまに



え?もう28日?!

おかしいな、このあいだ24日だと思ったのに、25,26,27はどこ消えちゃったんだ?


何か騙されているみたいな気がするけど、このブログみると確かに生きていた痕跡がある。



こんな調子で、え?もう2012年?!

おかしいな、このあいだ2006年だと思ったのに、2007,2008,2009・・・はどこ消えちゃったんだ?


何か騙されているみたいな気がするけど、このブログみると確かに生きていた痕跡がある。


ってことになるのかな・・・?



そんなわけで、みなさんおはよう。



年末だというのに、朝から伝えたい事が山ほどある。


どれをとっても生活には直接役に立ちそうもないことばかり。

だけど、いま生きてるってことに関して最も重要なことばかり。


僕らは生きることに忙しすぎて、なんで生きているのか忘れちゃったんだ。



僕はいつでも、どんなときも、ここでそのことを話し続けていたい。

誰かが生きるのに疲れて、ここを訪れてくれた時、「なーんだ、これでいいんだ」って思えるような、そんな言葉を発していたい。





昨日立ち上げた僕の新しいブログ、すぐにランキング入りする事ができました。

嬉しいよ~ぐすん


みんな、ありがとうね(^o^)/


僕が何故こんなことを話すようになったのかを、物語にして連載を始めたんだ。
それを知る事は、あなた自身を知ることだと思っている。


この先、みんなが知っている有名人達も登場するけれど、実名で出てくる人とのエピソードは全部事実。


どこまでが本当でどこからがフィクションかわからにようになっていて、自分としては新しい形の、ファンタジー・スピリチュアル・アドベンチャー・ネバーエンディングストーリーだと思っているんだけど・・・



まだ見ていない人は、ここからお入りください。

随(かんながら)神

http://orionza.ti-da.net/





心ある優しいあなたは、お帰りの際にこれを押していってください。
たった5秒間で僕を心底喜ばす事が出来ます。





それじゃ、今日も一日、頑張ってねニコニコ



また遊びにおいで。  

Posted by Toshiro Abe at 08:12Comments(6)TrackBack(0)随(かんながら)神

2006年12月27日

楽しければ努力じゃない



今日は新しいブログを作ったんだけど、全部でどれくらい時間がかかったかというと・・

う~~ん~~と・・・15時間くらいか・・・


一旦アップした文章を何十回も読み直して、そのたびに誤字や脱字を見つけて、そのうち愛情が乗り移っちゃって、あっちいじったり、こっちいじったり。


このブログも可愛いけど、新しいのもすでに子供のようになっちゃった。


傍から見たら頑張っているみたいに見えるかもしれないけど、やっている本人はもう楽しくて楽しくて、このまま朝までやれそうな勢い。


頑張って努力することも時には必要だけど、本当に好きなことだったら努力なんて思わないから、ますますやる気になって、きっとそういう時のほうが、いい結果を残せるんだろうね。



今夜は、明日掲載予定の部分を再編集して寝ます。

楽しみだなァ・・・眠れるかな。


じゃ、また明日ね。




  

Posted by Toshiro Abe at 23:38Comments(4)TrackBack(0)随(かんながら)神

2006年12月27日

新装開店



おつかれさま。
どんな一日だった?

僕はね、ほとんど一日ブログ漬け。

と言ってもこのブログじゃなくて、新しいものを立ち上げていたんだ。



1999年の暮れ、そうちょうど今ころの季節、何かに憑りつかれたみたいに、朝から晩までパソコンの前に座り、一気に書き上げた物語があるんだよ。

それは昔僕が体験した不思議なめぐり合わせや出来事を基に描いたストーリーなんだ。


昔のHPでも掲載した事があるんだけど、文章や構成をもっと緻密に練り直したいと思っていて、ブログにすれば毎日少しずつ書き換える事ができるし、いつか終わる日がくれば、また一冊新しい本が誕生するってことだしね。


このブログで伝えてきたメッセージが、全部散りばめられているよ。


今日はその序章の部分を書き換えたんだけど、ものすごく時間がかかった。

きっとその部分を読むのも10分以上かかるかもしれない。



明日から少しずつ続きを書き込む予定だから、このブログ同様、可愛がってあげてください。


ここからジャンプできるよ。

随(かんながら)神


http://orionza.ti-da.net/


このブログへの携帯からの読者登録は

ad@orionza.ti-da.net




何かを感じたら、感想も書いてくれたら嬉しいな。  

Posted by Toshiro Abe at 19:11Comments(4)TrackBack(0)随(かんながら)神

2006年09月17日

かんながら・月光編 その2


Photo by 石川賢治


午後7時半

この日の前売り券は完売していた。
しかし台風の中での野外コンサート、ほとんどの人が来ない可能性は十分にある。

それなのに、すでに100名くらいの人たちがステージの前を取り囲んでいた。
みな雨から体を守りながら、じっと始まりを待ってくれている。

さらに車がワイパーを忙しく動かしながら、続々と会場に入ってくる。
道中は前が見えないくらいの激しい雨だったはずだ。

ラジオでは暴風雨を伝える天気予報や、様々なイベント中止情報も聞いていたはずなのに・・・
それでもここまで来てくれた。


僕はとっさにステージに上っていた。
キーボードの前に座り、客席を見た。

白いレインコートが並んでいる。
マイクに向かって何か喋ろうとしたとき、何人かの顔が不安そうに歪んだ。
僕がコンサートの中止を告げに来たと思ったのだろう。

「ありがとう。こんなに皆さんに感謝の気持ちを持ったことはありません。僕にそのことを気づかせてくれるための雨だと思います。こんな天気ですがガンガンにいくから皆もついてきてね!」

歓声が上がった。

「まだ始まっていないけど、時間まで今日やる予定のなかった曲を弾き語りで唄います」

雨の中を待っていてくれる人達に感謝を表す方法はこれしか思い浮かばなかった。
ピアノで思いつくまま歌を唄い続けた。


何曲唄ったかは覚えていない。
誰かが後ろから僕の肩を叩いた。

「時間です」
その穏やかな笑顔にホッとした。




午後8時

コンサートが始まった。

新ユニットのバンドの音が会場の広場に鳴り響いた。

予定では智子さんのステージの後、10分間の休憩をとり、その後僕のステージのはずだった。
しかしこんな天気だ。
いつまたドシャ降りになってコンサートが続けられなくなるかわからない。

あらかじめ予定していた進行を取りやめ、数曲ずつ交互に歌うことにした。


そして気がついた。
<あれ?雨が上がってる!>

このまま降りませんように・・・
客席には高齢者の人もいる。
なんとか最小限の雨でコンサートが続けられたらと願った。

天との約束は忘れていた。


いつものコンサートとは何かが違う。
そうだ、まず僕の気持ちが違う。

これほど来てくれた人達をいとおしく思ったことがあっただろうか、こんなに心を開いてステージに立ったことがあっただろうか。


なんて素敵な時間なんだろう。
とても気持ちがいい。
細かい粒子があたり一面にちりばめられたかのような優しい波動・・・

まるで天河だ。
言葉にならない神気が「くるくま」の上空を覆っているように感じた。


それは観客の顔にも表れていた。
みんな幸せそうに体をゆすったり手拍子をしたり、僕達はひとつになっていた。



交互に歌いながらステージは進んでいった。

智子さんが月を歌うときが来た。

「本当は月の下で歌いたかったんですけど、今雨が上がっているだけでも嬉しいですね」

その時、客席から声がした。

「月が出ているよ!!」

みんながどよめいた。

僕はすぐにステージを駆け下りて空を見上げた。

月だ!

他は全て雲に覆われているのに、月の周りだけが大きくスコンと晴れている。
こんな幻想的な月は見たことがない。
月の周りには幾重にも虹のような七色の光の輪が取り巻いている。

『この不信心者め!この現実は誰が作っていると思っているのだ!』

つい先ほどの声を思い出した。


これって・・・?!


「月」が終わると、急速に流れる厚い雲に覆い隠されるようにして月はその姿を消していった。
不思議なことに上空の強い風とは対照的に、地上は静かな神秘的ムードに包まれていた。


さらにコンサートが続いた。
月の下で歌いたかったもうひとつの歌「童神」が始まった。

僕はまさかとは思いながらも、またステージから下りて、恐る恐る空を見上げた。

奇跡が起きていた。

さっきまで隠れていた月がまた顔を出し、まぎれもなく今この会場と、そこに集う全ての人達を祝福しているのがわかった。

淡く神秘的な月の光に照らされて、まるでこの場所だけが違う次元の中に存在しているかのようだった。


体は自然に先ほどの倉庫の後ろに向かっていた。
そして両手を広げて天を仰いだ。
今度は雨の洗礼は消えていた。

僕は叫んだ。
言葉ではなくただ大声で叫んだ。

今度こそあなたを信じます。
本当は信じたかったんです。
でも弱い心が疑いと共に出てきて、信じきることができなかったんです。

これで吹っ切れました。
もう迷いはありません。

僕はこの奇跡を人に伝え、本当にあなたがいることを、『神は確かに存在することを』表明していきます。

もう恐れません。
僕はあなたと共にあります。

・ ・・・・・・・

コンサートが終了した。
コンサートが終わるのを待っていたかのように雨が降り出した。

ステージの片付けが終わった直後から雨足は強くなり、それはもう止むことがなかった。
台風独自の強風と豪雨が「くるくま」の高台を包んでいった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・

この出来事は何を意味しているのだろう。

僕にとってそれは2つの意味と教訓があった。

ひとつは自分をとりまくあらゆるものへの感謝。
もうひとつは神への信頼、そう信心だ。


さらにそこに居合わせた人が共通に感じた神秘的な波動は、僕達全員の前に神が自らその存在を表し、我々が大いなる力によって生かされていることを教えてくれたと思えてならない。

少なくともあの日、僕達は祝福されていた。



<事が起きたとき、人はそれを自分なりに解釈し、経験し、意味を見出す>

もしかしたらこの一連の出来事は、やっぱり僕の思い過ごしなのかもしれない。
聞こえた声は幻聴で、たまたま天気のタイミングが僕達の願いと一致したのかもしれない。

こんな言葉を吐くと「まだそんなことを言っているのか」と怒られそうだが、その存在は限りなく優しく、人間と天との間を揺れ動く僕の弱さを見守りながら、いつも僕の活動を援助してくれている。

まさか天気が個人の想いに感応したとは思わないが、起きるべき時に起きることが起きていて、それは大きな仕組みの中で粛々と運行しているように思う。

だって僕は心のどこかで、この日のコンサートが祝福され大成功に終わることを知っていたのだから。

コンサートが終了した直後、50代半ばの沖縄男性が僕のところに駆け寄ってきてこう言った。
「長い間ここに暮らしているけれど、こんなに感動したのは初めてだ」

彼は何に感動したのか。
言うまでもなく、彼も神と出会ったのだ。



<あなたと共にあることを、より強く確信し、その時々の心の声に従いながら道なき道を歩んでいきます>



おん そら そば てい えい そわか



か・ん・な・が・ら



(2004年9月27日に記す)






嵐の夜のくるくまコンサート 2004/9/25


  

Posted by Toshiro Abe at 14:08Comments(14)TrackBack(0)随(かんながら)神

2006年09月17日

かんながら・月光編




記憶が鮮明なうちに書き残しておこう。

事が起きたとき、人はそれを自分なりに解釈し、経験し、意味を見出す。
したがって一つの出来事でも、そこに居合わせた人の数だけ意味と教訓が生まれる。

僕にとって今回の出来事には2つの意味と教訓があった。

ひとつは自分をとりまくあらゆるものへの感謝。
もうひとつは神への信頼、そう信心だ。

そしてそれは同じものの両側面なのかもしれない。



沖縄の放送局から突然メールが届いた一年後、またしても直感が導くままに、家族を連れて沖縄に転居することになった。

その後は今までとは打って変わって、ギターを抱えたライブ活動が生活の主流になっていった。

人口130万あまりの、多くの離島からなる沖縄で、音楽だけで生計を立てるのは至難のわざと考えられたが、どの会場も大入り満員の盛況が続き、奇跡的なスピードでその知名度も上がっていった。

そんなある日の出来事・・・



2004年9月25日 
午前11時

沖縄本島には大型の台風21号が接近していた。

朝から激しい雨が庭の樹木に襲いかかっている。
晴れた日には寝室の窓に広がるエメラルド色の海も、今日はその色を失い荒波がそそり立っている。

ふいに携帯電話が鳴る。
「今日はどうしますか?」
バンドメンバーの声だ。

天気予報を見ても野外ライブができる状態ではない。

「やるよ、今日はやれるから。本当さ、やれるよ」





12日前(9月13日)

その日は沖縄だと言うのに早めの秋の清々しい日差しがベランダに差し込んでいた。
とても気持ちのいい朝だった。


「??!!」
一瞬、時間が止まった。
体が凍りついたかのようにそのまま固まってしまった。

その日は朝から、25日に予定している「くるくま」でのライブ情報をHPに載せるためにパソコンに向かっていたのだが、それが突然、瞬時にしてそこに載せていた一枚の画像が変わってしまったのだ。

突然変わってしまったこと自体初めてのことだが、不思議なのはそれだけではなかった。

もうなくなったはずの画像が出てきたのだ。

しかも出て来た絵は、普通の絵ではなかった。

弁財天やそれをとりまく神々が、雲に乗って地上に降臨しようとしている、とてつもなく光に満ちた絵だ。

そして次の瞬間・・・
・・・あの時の声がした
「アナタヲ 祝福シマス」


「!!!」


(くるくまコンサートは成功する)
静かにそう直感した。


僕の思い過ごしかもしれないけれど、とにかく素晴らしいことが起きたのだから、このことを皆に伝えておこう。
間髪いれずにBBSページに書き込みをした。


2004/09/13 (月) 11:13
「今、とても不思議なことが起こりました。
スケジュールページに、自分の想いを書いていたら、突然写真が変わったのです。
それも変わりようがないものに変わったのです。
でも変わった絵がとても素晴らしく、弁財天を感じました。」

(後にこの現象はサーバーにストックされた多くの過去の素材の中から、何かの拍子で選ばれてしまったと判明するが、それにしても不思議な出来事だった)





9月25日 午後1時

会場に到着。

音響さんがすでに来てくれている。
初めての人だったのでお互い軽く会釈を交わした。

「で、どうします?」

彼が何を言いたいかはすぐにわかった。
今はかろうじて雨が上がっているものの、この先また天気が崩れていくことは明白だった。
約束どおり来てくれはしたが、この天候での野外ライブは常識では考えられない。
中止ですの声を待っているのは当然だった。

「やりますよ」

「え?ここで?それは無理でしょ、バンドの楽器とか・・・」

会場は縄文遺跡のすぐ隣にあった。
石舞台の下には芝生のスペースが広がっている。

しかしこの天候では屋根のない石舞台の上に楽器や機材をセッティングするわけにはいかない。

それに芝生は午前中に降った雨で水浸しになり、とても観客が坐れる状態ではない。


急遽、舞台を変える提案をした。

その芝生の向い側に、縄文遺跡から出土した貝塚や世界各地の化石を納めた大きな倉庫がある。

その軒下は一段高くなっていて屋根もせり出し、ステージには持ってこいだった。

「それではこっちにしましょう」

「ここにしても正面から雨が振り込めば、楽器や機材が水浸しになっちゃいますよ」

「今日はできるような気がするんです。ここでやりましょう。よろしくお願いします」


「・・・・・」

まったく根拠のない意見を突きつけられて、音響さんは少し戸惑っていたようだった。

なんとなく気まずい出会いになった。



その後、照明さんやバンドのメンバー達がぞくぞくと会場入りした。

みんな本当に決行するのか半信半疑の表情だった。

僕がやることしか考えていないのを見て、それならばとセッティングを始めてくれた。

もしこの時点で雨が降っていたら、僕が何を言おうが中止になっていただろう。
機材がずぶぬれになってしまうからだ。

しかしこの時、他の地域では強い雨が降り続いていたにもかかわらず、不思議なことに「くるくま」の上空だけは雨が止んでいた。




午後5時

セッティングが終わりリハーサルをしていると、突然今まで持ちこたえていたものが力尽きたかのようにドシャ降りの雨が会場の広場を襲った。

容赦のない雨足が客席の土を泥に変えていき、PA機材を守る小さなテントが強風に吹き飛ばされそうになった。

台風が近づいているのは誰の目にも明らかだった。

リハーサルを中断し、機材にビニールシートをかぶせ、しばらくは雨が止むのを待つことにした。


しかし一向に雨は降り止まない。
このまま一昼夜降り続きそうな気配だった。

僕は一人で車の中に避難した。


向こうで皆が何やら相談をしている。
何を相談しているかは聞かなくてもわかった。
僕はその場から離れたかったのだ。
それに車のラジオで台風情報や天気予報を聞きたかった。

あいかわらず雨はやむことがなかった。
唯一幸いだったのは、風向きの影響でステージの裏から雨が降りつけ、正面の楽器は強い雨風にもかかわらず、たいした被害が出なかったことだ。

これも風が逆向きであれば、コンサートどころの話ではなかった。
かろうじて運のよさに助けられていた。



しばらくして共演する妻の智子さんが車の助手席に乗ってきた。

「みんなあなたに結論を出して欲しいって言っているわよ」
彼女は昨夜から今日の雨が心配で、あまり眠れなかったようだ。
少し疲れた顔をしている。

「何の結論?」
僕はとぼけて見せた。

「何時の時点で決定するのかって」

「何の決定?」

「中止のよ。これ以上は電気系統の事故が心配だし危険だって」


智子さんも今回のコンサートには特別な想いがあった。

女性として女性のために女性からのメッセージを贈る、そんな役割を担おうとしていた。
今日のコンサートで初めて唄う「月」という歌は、揺れ動く女性の心を歌ったこの日のテーマのような曲で、「くるくま」の幻想的な月の下でこの歌を唄うことが最大の願いだった。

さらに沖縄への感謝を込めて愛と命の歌「童神」も月光の下で歌えればと願っていた。
僕もそんな光景を何度となく想い描いていた。


しかし今夜は月どころではない。
天気予報は最悪の結果だった。
これから先、沖縄本島は暴風域に入り台風は予想より速度を上げて、まっすぐに沖縄に向かっていたのだ。

ラジオからは次々とイベントの中止情報が流れてくる。
屋内開催のイベントまで、台風を考えて早々と中止を決めている。

我々がこれから行うコンサートは野外であり、台風となれば知念半島の海に面した高台にある「くるくま」は最も激しい風に晒される場所だ。

延期という選択もあった。

にもかかわらずここまで今夜の決行を決意させてきたのは他でもない、あの日、突然変わってしまったHPの絵と、同時に聞こえたあの声だ。

「アナタヲ 祝福シマス」

僕は今まで、まったく理にかなわない決断でも、その声の指示どおりに生きてきた。
そして全てうまくいってきた。

しかしこの時ばかりは、確信が揺らぎ始めていた。
事故が起きた時の責任は誰が取るのか。
それにお客さんは来てくれるのか。


雨の中をわざとゆっくり歩いてスタッフ達のいる場所に向かった。
わずかの距離にもかかわらず、髪の毛もジーンズもビショビショになった。

何を言うかは決めていなかった。

ギターのトミーが先に口を開いた。
「僕達は沖縄人(うちなーんちゅ)だからわかるんですけど、この天気はこれ以上悪くなることはあっても、よくなることはないですよ」

他のスタッフが言った
「やめるなら今です。これ以上ひどくなると片付けもできませんから」

その時とっさに僕の口からはとんでもない言葉が飛び出した。
「でも天気予報では雨が上がるって言ってるいるよ。大丈夫みたい」

嘘だった。

皆が動揺しないためには僕が確信を持ち続けるしかない。
その確信の根拠は、極めて個人的で神秘的な体験であり、そんなことで人を納得させられるわけがなかった。

嘘はいずれバレるだろう。
その時はあやまるしかないと思った。





午後6時半(開場30分前)

降ったり止んだりを繰り返していた雨が、ここにきて再び強くなっていた。

ドシャ降りだ。

すでに何台もの観客の車が会場に入ってきている。
でもみんな車から出ることはできない。
ワイパーの向こうからどうしていいかわからない不安そうな顔が覗いている。


そんな一人一人が無性にいとおしくなった。
<ありがとう・・・こんな天気なのにここまで来てくれて・・・>




この日偶然にも「くるくま」ではもう一つのことが行われていた。

数体の仏像が縄文遺跡に設置されたのだ。
雨の中クレーン車が仏像を安置するために働いていた。

気の利いたオーナー社長の計らいで、この日の楽屋には縄文遺跡の竪穴式住居のひとつが充てられていた。

中は近代的に整備され、素敵な居住空間となり、正面には安置されたばかりの美しい釈迦如来坐像がこちらを向いていた。

誰もいない楽屋で間接照明が釈迦像を照らし出していた。
あとまもなくで開場の時間だ。

僕は仏像の前で同じ坐禅の姿勢をとり、ゆっくり呼吸を整えた。
自然に口から般若心経が流れ出た。


<願わくばこの雨を止ませ給え>

ここで雨が止んでくれたら心から感謝します。
もし僕があなたと共に生き、この全ての流れがあなたの流れであるのなら、その証拠を見せてください。

もしコンサートの間中雨を止めてくれたら、今度こそあなたを全面的に信じます。
だからあなたがいる証拠を見せてください。



「証拠を見せろ」
初めて口から出た挑戦的な言葉だった。

証拠はこれまでにもたくさん見せられてきた。
これでもかというくらいにたくさんの奇跡を目の当たりにしてきた。

それなのにそんな言葉が飛び出したのは、心から雨が止んで欲しいと願ったからだ。


しばらくして外に出てみた。
雨はいっこうに収まる気配を見せない。
すでに会場には何十人もの人が椅子を並べ、雨ガッパを羽織り、さらに傘をさしてコンサートの始まりを待っていてくれた。

感動で目頭が熱くなった。

お客さんがこんなにありがたいと思ったことはなかった。

沖縄に来てから50回近くライブコンサートをしてきたが、会場はいつも観客であふれかえり、それが当たり前のようになっていたのだ。

自分の傲慢さを改めて感じた。

<ありがとう・・・ありがとう・・・>
雨に打たれている人たちに心の中で手を合わせた。


もう少しで雨は止む。
止むはずだ・・・

心の中には期待と不安が入り混じっていた。





午後7時(開場時間)

まだ雨はふり続いている。

もう駄目かもしれない。
僕の中に初めて「あきらめ」が顔を出していた。

と同時に若干の怒りと、それに相反する虚脱感のようなものを感じていた。

嵐でコンサートがうまくいかなくなることだけでなく、何日も前から感じていた「祝福」や「啓示」がただの思い込みであったことへの失望感だった。


ステージになる倉庫の後ろは小さな崖のようになっていて、そこからは何一つ視界をさえぎるものがなく、一面に広がる海と神の島「久高島」を望むことができる。

が、今は暗闇の中に白くそそり立つ荒々しい波以外、何も見てとることはできない。

その場所に立って天に向かって顔を上げた。
大粒の雨が顔に襲いかかってきた。

「やっぱり全ては思い込みなんですね。考えてみたら僕の都合で天気が変わるはずなんてない・・・ハハハ・・・とんだヒロイズムだった」


その時だった。
(僕は今、事実だけを正確に振り返りながら書き記しています。人からどう思われるかという恐れを捨てて、僕に起きた事実だけを書いてみます)


その時、
今度は腹の底から鳴り響くような低い声が聞こえた。

「この不信心者め!まだそんなことを言っているのか。この現実は誰が作っていると思っているのだ!」

「!!!」

「今夜の出来事をしかと見とどけるがいい!」

「!!!」


・ ・・・・・・・・・


腹が決まった。
これではっきりとする。

もしこの後、コンサートの最中だけ雨が止めば(それは非常に考えにくいことだったが)一連の出来事や啓示は僕の思い込みではなく、確かな現実として受け止めることができる。

もしこのまま雨が降り続けば、全ては僕のイマジネーションであり、それはそれですっきりする。
神と共に生きてきたつもりの人生観を、もう一度見直すいい機会だ。

いずれにしてもコンサートは決行だ。

音響や照明のスタッフ、そしてバンドのメンバー達は、度重なる風雨にあおられる中、様々な困難を克服しながら、なんとかここまで踏ん張ってくれていた。

そんな彼らにはっきりと伝えた。

「このまま決行します」

「はい」
笑顔で即答してくれたスタッフ達。
涙が出そうなほど嬉しかった。



その2へ続く

  

Posted by Toshiro Abe at 12:59Comments(4)TrackBack(0)随(かんながら)神