2012年09月08日

放浪記 23

天河では、神前の音以外にも、不思議なことがたくさんありました。

それが何だったのかは、わかりません。

人間はなんでも解明しようとするし、適当な答えを見つけて納得しようとするけれど、わからないことは、わからないままでいいと思います。

実際の話、人間は何もわかっていないのですから。


ある日の夕方、大阪在住の女性医師が、来迎院の住職から僕を紹介されたと言って訪ねてきました。

50歳くらいの方でしたが、当時の僕からは母親くらいに見えました。


仕事の悩みを抱えていらしたので、僕なりのアドバイスをさせてもらいましたが、気分転換に少し離れた場所にある禊殿(みそぎでん)を案内することにしました。

禊殿は、古くなった元の本殿を解体して移した建物で、とても魅かれるものがあり、大好きな場所でした。


日も暮れて、あたりは真っ暗です。

禊殿の裏を流れる天川のほとりで、2人で石に腰かけて、川のせせらぎを聞いていました。


すると対岸の山道を、自転車のライトが降りてきました。

橋を渡ってくるかと思ったら、橋のたもとに止まったまま、こちらをじっと眺めている様子でした。


「アレ?自転車のライトだったら、止まれば消えるんじゃなかろうか」


もしかしたら、隣にいるご婦人と僕が、遠目にカップルに見えて、懐中電灯で冷かしているのかと思いました。


するとその光は、橋ではない場所を渡ってきます。


ゾっとしましたが、すぐに答えを探しました。


そうか、季節外れの蛍だ。

そうだ、そうに違いない。


光は一瞬消えたかと思うと、次の瞬間にはこちら岸に移動してきていました。

瞬間移動というものを初めて見ました。



明らかな意思を持って、こちらを見ているのがわかります。

そのうち、光が大きくなっていきました。


放浪記 23



漆黒の闇が、光の周囲だけ照らされていきますが、光の元はあまりにも眩しすぎて確認できません。


隣のご婦人も凍りついたように固まっています。


何か、見てはいけないものを見てしまった、出会ってはいけないものと出会ってしまったと感じました。


未確認飛行物体という名称がありますが、まさしく未確認の飛行物体であり、光です。


何かを知らせようとしていたのかもしれません。

もしかしたら、コンタクトしようとしていたのかもしれません。

それは今になって思うことで、その時は余裕がありませんでした。

きっと僕にはまだ準備ができていなかったのでしょう。


徐々に大きくなる光を前にして、とっさにその場を離れようと思いました。



「帰りましょう」


「はい」


僕たちは駆け足でその場を逃げ去りました。



あの光が何だったのかはわかりません。

きっと唯物科学では、それなりの答えを与えてくれることでしょう。

あるいはサイキックな人が、別の答えをくれるのかもしれません。


でも僕は、わからないままでいいと思っています。

一つだけ言えるのは、経験者として、あれはこの世のものではないということです。



このエピソードは、「かんながら」の中で、少し形を変えて書き表しました。



4か月間の滞在中に起きた一コマです。



追記

いま目の前に広がる海を見ていました。

頭の上には、無限のかなたに続く空が広がっています。

宇宙空間に地球が浮かび、地上ではこうして水と空気で生かされている。


こうして生かされている不思議から見れば、どんなに不思議な現象も、取るに足らないお遊びごとですね。

この不思議さを「感謝」と呼ぶことにします。




Posted by Toshiro Abe at 11:09│Comments(30)放浪記
この記事へのコメント
人智で理解できる現象も


人智を超えた現象も


大いなるひとつの意識存在であるわたしたちの中で


生まれ、変化し、消えていきますね^^!
Posted by 大空 at 2012年09月08日 11:30
なんかすごいリアルですね。。その時の空気感まで伝わってくる感じ。

こわいのとも違うし、、「何なんやろう」は何なんやろうのままでいい。なんか不思議に納得しました。

まだまだお話はつづいていくんですね。。なんかおじいちゃんの昔ばなしを少しずつ聞いてる・・ゆっくりとしたテンポで・・そんな安心感があります^^

阿部さんはおじいちゃんじゃないけど、、なんでか今日、そんな感じがしました。
Posted by maridon at 2012年09月08日 11:36
ありがとうございます
色々な事がありますが、それは、それで良いんですね\(^^)/
不思議な事が多いです♪
Posted by ∞みゃこ∞ at 2012年09月08日 11:43
サイエンスで把握出来ていることなんて、宇宙のほんの一部ですね。

その発光体もサイエンスで分析されることを望んでいないと思います。

頭脳で解釈しようとせず、あるものそれ自体をそのまま受け入れていく。。科学万能主義により、なにか大切なものを失った僕らに大切なことだと思います。

ありがとう御座いました。
Posted by 行雲(イクモ) 悟りの後で~全ては救われている~ at 2012年09月08日 11:47
こんにちは


阿部さんが見ているタイの大空と

僕が見ている日本の大空は

雲があってもなくても

全く同じただ一つの大空


阿部さんの空と

僕の空は

思考や感情があってもなくても

全く同じ空


私達は全く同じ空

私達は全く同じ愛

私達は全く同じ光なんですよね


ありがとうございます
Posted by 甲賀忍者 at 2012年09月08日 11:57
初めて書き込みさせていただきます。
いつもありがとうございます。
放浪記、続きが楽しみです!!

感謝とはそのままをそのままとしてみる心。
私はようやくそのまんまに生きる大事さがわかってきました。
今までは他人の評価を気にしていたり自分でつくった枠組みで判断していたり、そういうことを外すととても楽になりました。
そういったことに気づいた後にいつものようにこちらのブログを拝読していたら、七福神の曲につながり、そのままでいいんだ、と納得できました。

ありがとうございます。
Posted by originalノブちゃん at 2012年09月08日 12:09
「 未確認飛行物体という名称がありますが、まさしく 未確認の飛行物体であり、光です。 」


僕も見たことあるよ!


僕が見たその光は、、、ピカッ シュン、ピカッ シュン、ピカッ シュン、と


瞬間移動してましたよ


なんじゃありゃあ!とビックリしつつ
追いかけたけど見失っちゃいましたが(笑)


一回目は友達と二回目は1人で


不思議ですね^^*。
Posted by 優。 at 2012年09月08日 12:26
そうだな~~
こうして今ここで生きていることを思うと、
どんな不思議も遊びごとか・・・

そうだな~~~~~~~
Posted by ともとも at 2012年09月08日 12:45
ありがとうございます。
感謝なんですよね。
生かされているって言葉が余り好きでは有りませんでした。
大いなる存在が、いろんな事を経験したくて「いま」が在って、私が居て
共に生きてるわけだから・・・お互い様じゃん
って・・・おおへい・・・でした。
「人間はは何も解っていないのだから」って腑に落ちます。
ここ半年位でしょうか、染み込んできました。
その中で、なんだか微笑みながら楽しんでいます。
やっぱりお手上げなんですね。
流れの中で楽しんでます。
全てに感謝です。
Posted by ジンライム at 2012年09月08日 13:28
いいですね~。

解釈しないでただ感じていく生き方。

あいまいなことは嫌いだったのに、なんか楽で自由な感じですね。

感謝です。
Posted by しんこ at 2012年09月08日 13:33
私は、今、どの時点で自分自身が、納得するかの問題だと思っています。

だから私の場合は、
光りは、神様が出たラッキーと思います。

だって神様は、目が潰れそうな強い光りで、姿が見えないって聞くから。

結局、姿、形、カテゴリー分けが、無いのかも。
Posted by みどり at 2012年09月08日 13:37
不思議、出会ってみたいです。
阿部さん、どうすればいいですか?
Posted by ぞうちん at 2012年09月08日 13:49
わからない領域は、誰もが持ってる。 それでいいのだ。

理解したいと、誰もが思ってる。 それでいいのさ。

理解したいことや、望むことを、宇宙に「教える」ことで、不動の宇宙は動き出す。

それは「命令」とも言う。

生かされていることを宇宙に感謝し、どう生きるのか宣言すること。

それが「祈り」。


マインドの力を使いこなしたい人がいるから、坐禅や瞑想がオススメされるんでしょうね。


あなたのパートナーは宇宙でーすよー

宇宙と手をつなぐー♪
Posted by FOREST at 2012年09月08日 14:29
ただ当たり前のように

この世界があって

私の意識があって

生かされて在る…

これ以上の不思議はなく

ただ有り難い!

感謝のみ!

なんでしょうね
Posted by 風 at 2012年09月08日 15:07
いいですね~。

この世は不思議に溢れている。
だからこそ、この世は面白い!

こうした不思議研究を私財を投資しておられる森田健氏という方がおられます。
「不思議研究所」を主宰されていますね。
面白い方です^^
Posted by 近藤 at 2012年09月08日 15:34
私の部屋では、ときどき『ゴン』とか『ドン』と天井から
大きな音が聞こえます。

一戸建ての2階であり、軽量鉄骨の家なので
音の原因はまったくわかりません。。。

しかしながら、今は亡き父親が来てくれたのかな?
と思ってしまうので不思議です。

確認はできませんし、原因もわかりませんが
それはそれでいいと思っております^^

知らないこと、わからないこと
その先は神の領域。。。。。。

三浦綾子さんではありませんが、
そんな世界があっていいと思います。

阿部さんの話もそんな軽い気持ちで
楽しみたいと思います。^^
Posted by BM at 2012年09月08日 16:58
光の国から僕らのために

阿部さんがUFOに

捕らえられずに済んで

良かったです(笑)
Posted by 一空 at 2012年09月08日 17:54
瞬間移動できるならパッと目の前に近付けばいいのに
様子を伺うなんて可愛らしいですね
相手の意思を尊重してくれてるのですね(笑)

女性医師は何だと思われたのでしょう
悩みも吹き飛んだかな
Posted by みつばち at 2012年09月08日 20:05
>頭の上には、無限のかなたに続く空が広がっています。

宇宙空間に地球が浮かび、地上ではこうして水と空気で生かされている。


こうして生かされている不思議から見れば、どんなに不思議な現象も、取るに足らないお遊びごとですね。

この不思議さを「感謝」と呼ぶことにします。



今日は、この阿部さんの言葉に出会えて幸せです。
ありがとうございます。
Posted by ショコラ at 2012年09月08日 21:29
「かんながら」はフィクションとノンフィクションの部分がある・・・と。
光の部分は、どっちなんだろう?聞きたくても、講演会の際に
手を上げて阿部さんに質問する勇気もなく、ずっと気になっていました。

今日の放浪記ですっきり解決です。
毎日、放浪記楽しみにしています。
Posted by プイプイ at 2012年09月08日 22:01
ほんとですね、
わたしたちは、不思議なものだらけの
中にいるのかもしれません
( ̄▽ ̄)
いま、ある何もかもは感謝だけですね☆
Posted by とまとま at 2012年09月08日 22:35
阿部さん♪皆さん♪

こんばんはo(^-^)o


私も夜空にジグザグ☆と瞬間移動する未確認飛行物体を目撃したことがあります!

それから不動産関係の仕事をしている時に、リフォームしたマンションのオープンルームで一人お留守番をしていた時のこと。

突然、隣の部屋の押し入れの中から「バチバチバチ…☆」という音がしてきて…

恐る恐る中を覗いて見ると(°д°;;)

音はすれども、その正体はなく…

でも音は間違いなく、この押し入れの空間から発っしている…?????

という奇妙な現象が。

さらに福岡へ行った時に、博多埠頭で一人夕方から日が暮れるまでまったり過ごしていた時のこと。

夜空に大きな円を描く光を、ぼんやり眺めていました。サーチライトだと思い、どこから照らしているのかなと思いきや、どこからも照らしている様子はなく☆

「?????」と眺めていると、そのうち光が2つになり重なったり少しずれたりしながら、グルグル旋回しているのです☆

私の目がおかしいのかと思って、道行く人にその光が見えるかどうか聞いてみようと思ったのですが、もし見えなかったら怪しい人と思われちゃうと考え断念。

今では天使だったんだと信じています♪

不思議といえば自分も不思議の一つですよね…

「何で私ってこうなんだろう?」って思うことありません?(笑)


“この不思議さを「感謝」と呼ぶことにします”

そうですね、ブッダである自分に感謝したいと思います♪

けっこう変なヤツですけどね(笑)
Posted by ミルキー☆ at 2012年09月08日 22:42
>こうして生かされている不思議から見れば・・・

生きていることこそ、最大の神秘だと思います。
体の各機能の連携プレイなんて、びびびびっくりですよ!!
私自体が神秘のかたまりだなって、最近改めて思っています。

体はご神体ですね。
身体(シンタイ)っていう響きも同じですし。

宇宙意識(神秘)のかたまりである私。
だからこそ、自分のことを、尊重し尊敬してお付き合いしていきたい。
自分を愛するって、そういうことかな。
それができれば、周囲とのつきあい方も自然にそうなれるはず。
すべてのはじまりは、自分とのつきあい方から♪

なんてね。
そんなことを思いながら、少し、初秋を感じる夜でした。
Posted by o maririn at 2012年09月08日 22:53
なんでしょう・・・。

阿部さんの放浪記を読んでいると、自分も体験しているかのように心が洗われます。

毎日つづきをとても楽しみにしています♪
Posted by haruu at 2012年09月09日 00:05
阿部さん

昨日阿部さんの言葉に導かれて、サンスクリット語の
般若心経を聴きました。
美しくて心地良くて、繰り返し聴きました。

日々不思議(愛)の中で不思議(縁)に出遭い、
不思議(感謝)を重ねてゆく。

ありがとうございます!(^^)



大空さん

シャンタンさんのメッセージ動画を観ました。

自分を救うことがすべて。
よろこびの中でただ祝っていなさい。
観る。

背筋を伸ばすのに必要なメッセージでした(^^)
ご紹介ありがとうございます。
Posted by 真在(まある) at 2012年09月09日 00:39
>体はご神体ですね。
>身体(シンタイ)っていう響きも同じですし。

なるほど〜、ここまでは気付かなかった。

体には、上の髪、下の髪、こめかみ、など、神が入ってるなぁ、
生きていると思ってたら、生かされてるんだなぁって。

いろいろ発見だったけど、
あと、人ではないのは、もののけかぁなんてね。
Posted by みどり at 2012年09月09日 03:23
真在(まある)さん


シャンタンさんの動画観たんですね^^!


シャンタンさんの動画を今回初めて観たのですが

雰囲気も話している内容も仙人みたいですね(笑)
Posted by 大空 at 2012年09月09日 07:24
阿部さん


>宇宙空間に地球が浮かび、地上ではこうして水と空気で生かされている。
>こうして生かされている不思議から見れば、どんなに不思議な現象も、取るに足らないお遊びごとですね。
>この不思議さを「感謝」と呼ぶことにします。


わたしも、そう思います。

よく考えると、わたし(たち)は、水についても空気についても、
本質的なことは、あまりよくわかっていないような気がします。
ただ、そのものは、見たり感じたり体感したりで、
知っているつもりになっていますが・・・。
実は、本当にはよくわかっていない、と。

わたしたち人間を含む生物がこの地球に存在する不思議、
そして、宇宙が存在する不思議、
たとえその存在のからくりを見破ったとしても、
その「在る」という不思議は、歴然として在ります。

寸分違わぬ宇宙の運行。
その中で生かされている宇宙生命としての地球。
その地球上に37億年前より脈々と繋がってきた地球生命であるわたしたち。
この「在る」というすべてに、大いなる力(意思)の働きを感じます。

わたしたちもこの宇宙を構成する一員(一要素)であり、
大いなる力が、どのような意図を持って、
部分部分を構成し必要としているのかは、
人間であるわたしたちには、計り知れない壮大な計画であると感じます。

この宇宙のすべてに、不思議さが溢れていますね。
この不思議さを畏怖するのではなく、尊いものと感じると、
胸から感謝の気持ちが溢れてきます。

この大いなる力(意思)の働きこそ、無償の「愛」であり、
宇宙は、「愛」そのものであると感じます。

宇宙とは、「在る」とは、愛と感謝、そのものですね。

阿部さんのメッセージに感謝します。
Posted by neutrino at 2012年09月09日 10:00
neutrinoさん


    素♪


癒♪  粒   癒♪


    子♪


neutrinoさんのご健康をお祈りいたします
Posted by 甲賀忍者 at 2012年09月09日 11:07
大空さん

シャンタンさん、本当仙人そのものですね(笑)
きっと仙人で在るように、選任されたのでしょうね(^^)
Posted by 真在(まある) at 2012年09月10日 00:24
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。