2008年04月18日

身の上話

そんな調子の学生生活でしたから、3学年から4学年に進級することが難しい状況でした。

たしかドイツ語が赤点で、補習を受けて再度テストを受けなければいけなかったと思います。



迷わず出した結論は中退です。

ちょうど折からのフォークブームで、吉田拓郎や泉谷しげるといったフォークの旗手たちが活躍しだした頃でした。


自分の主義主張を人前で歌うというスタイルに人間臭さを感じ惹きつけられました。


そこでギターを片手に上京するのですが、当時の心境は未知なる都会のジャングルに飛び込む冒険家のようでした。



上京当時はアルバイトをしながら、大泉学園にあった東映の演技研修所に通っていました。

歌手でも役者でもタレントでも、有名になれたら何でもよかったのです。



でも現実は厳しかったです。

たまに回ってくる仕事はエキストラに毛が生えたようなもので、撮影現場で見かけるスター達との距離は圧倒的なものがありました。



結局はそんな生活を2年くらい続けた後、同時進行していたシンガーソングライターへの道が開け、憧れの吉田拓郎や泉谷しげると同じレコード会社(エレックレコード)から、フォークグループの一員としてデビューすることになりました。


まったく売れなかったのですが、なぜか沖縄では数曲たてつづけにヒットし、それが沖縄との最初の御縁になります。



その後大手プロに誘われ、夢にまで見た華やかなスポットライトを浴びます。

持前の運の強さで大きな仕事を次々とやらせてもらうのですが、こちらも花開くことはありませんでした。

周囲を見れば、この業界で活躍するために生まれてきたような、才能ある若手がたくさんいます。

内心、これは時間の問題で退く時が来ると思っていました。



そのあたりについては、随(かんながら)神・エピローグに詳しく書いています。




唯一ぴったりきた仕事が、深夜放送のDJでした。

昔から人生観を語るのが好きで、不器用ながらもひた向きに生きている自分の生き様を、ラジオを聴いている中学生や高校生に語りつづけました。

その仕事も2年余りで終わってしまうのですが、その頃のリスナーが今でも僕を応援してくれるのですから、ラジオの力は大きいと思います。



結局は30歳を過ぎたころに大きな心境の変化が訪れ、全ての仕事をやめてしまいます。

その後、精神世界の本を読みまくり、魂の成長に身を投じましたが、まさか将来そのことが自分の仕事になっていくとは夢にも思いませんでした。


このブログもそんな経験があるから毎日書けているわけで、人生無駄なしを感じます。



実は学生時代のこともタレント時代のことも、恥ずかしいことの連続で、あまり思い出したくないのですが、昨日の記事に僕の高校の後輩だったという方からカキコがあり、彼の目には憧れの先輩として映っていたとのことでした。

自分の思い出や自己イメージというのは、自分本位に作り出しているわけで、実際にはそれほど格好よくも格好悪くもないんだなと気がつきました。


人生を振り返ってみると、うまくいかないことも多かったのですが、ここまで生きてきた自分を褒めてあげたいと思います。


身の上話


それぞれに同じ重さの人生があるわけで、あなたの人生も僕の人生も、比べようのないオンリーワンの存在ですね。

そしてその人生はすべて、究極の開花に向かっているわけですから、どんな人生もそれでパーフェクトなんだと思います。

たとえ今の自分からどのように見えようと、人生には何一つ無駄がなく、自分の魂の流れにとって必要なことが刻々と起きているわけです。



僕たちは全員、人間の想像をはるかに超えた大いなる存在に祝福されています。

そのことを伝え続けて20数年になります。




今日も僕の話を聞いてくれてありがとうございました。





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身の上話   身の上話




そんな僕が久しぶりにCDを発売します。
発売に先駆けて明日、母家で記念ライブを行います。

まだ若干席がありますので、ご希望の方はこちらをご覧ください。



Posted by Toshiro Abe at 11:12│Comments(7)
この記事へのコメント
今日も涙して読みました。
不思議ですね。
自分の心の壁にぶち当たったときは迷わず・・っと言うより
ふと気が付くと導かれるようにここに来ます。
すると、今の自分へのメッセージが書かれているんです。
息子の問題。
息子は阿部さんの息子さんと同級生なんですね。
でも全然いい子じゃないです。
毎日の悩みの種。
それでも一生懸命子供のためにやっているつもりなんですけど
どうしてうちの息子は違うんだろう?
息子を憎んでしまったり、
自分を責めたり、
たまに現実から逃げたくなっちゃったり
父親がいない存在って大きいんですかね?
しかし父親がいなくても胸張って頑張っているお子様もたくさんいるし
つい自分の息子と比べてしまい一人で落ち込んだり・・
昔の阿部の学生時代を知って・・
今の息子もそうなのかな?って思ったり。

そして今日のメッセージの中にあった
「人生はすべて、究極の開花に向かっているわけですから・・」
「たとえ今の自分からどのように見えようと、人生には何一つ無駄がなく、自分の魂の流れにとって必要なことが刻々と起きているわけです。」
胸を打たれる言葉でした。
読んでいたら涙が溢れました。
ありがとうございます。
Posted by きん at 2008年04月18日 11:54
今日も、仕事探しの日々を送っています。今、仕事がないから・・・と言う訳で有りませんが、阿部さんの毎日見させて頂いています。

いゃっ、中々職探し難しいです。四捨五入すると10社面接ですが・・・でも、昨日今日と興味ある内容に元気が出ます。  上等な花が開花するよう頑張ろう。
Posted by blue sky at 2008年04月18日 14:42
人様の私の人生は、どこにあるか、わかりません。 息子は、ウーマクでした。でも、親もびっくりでした。 人気者になりました。で・・・中学になるとうるさく言ってた親が・・その子は、ビクビクしてました。 嘘さえ言わなければ、いいかなと親子真剣です。中には、あの子と一緒だったら、信じるだろうと塾などさぼって、相手方は、困った話しも聞いてますが、今だに知らないみたいで… 私は耳に入って欲しいです。 子育てって難しいですね。
Posted by 物がたり at 2008年04月18日 23:01
阿部さん、こんにちは!最近の記事、懐かしく読ませてもらってます。阿部さんに初めてお会いしたのが、銀座テレサのそばの喫茶店の前。阿部さんよくそこで、インベーダーゲームを本番前にしてましたよね。阿部さんの追っかけをしていた女子高生の一人の私もよく阿部さんおるかな
Posted by 桂子 at 2008年04月19日 01:59
阿部さ~ん!CDは、沖縄限定ですか?東京人の私も聴きたいです!初めてぎんざnow!で、あせるぜ!を聞いてから30年以上たち、ずっとずっと、大事に私は、口ずさんできました。大昔のレコードを聴くために買ったプレーヤーも針がなく聴けず、ヤングプラザやこっそりコンサートの時、録音したテープだけなんです。阿部さんの力でなんとかして下さ~い。最近の記事、すごく懐かしく読んでます。ヤングプラザって真夜中だったからほんとに阿部さんのおしゃべりを聞きたい人だけが聞いてたって感じでしたよね。すごく連帯感がありましたね。リスナー同士。これもやっぱり阿部さんの魅力なんでしょうね!私は毎日遅くまで仕事して夜中に通信教育で勉強してます 大変だけど楽しくて楽しくて。阿部さんのブログが、息抜きなんです。いつもありがとうです!
Posted by 桂子 at 2008年04月19日 03:34
おはようございます

ラジオ聴いてた元・小学生です(笑)
沖縄のラジオ放送は残念ながら聴けないけど、今はブログを毎日読めるので、それが心の支えです
コメントは久しぶりになってしまったけど、いつも阿部さんの言葉から元気をもらっています
ありがとうございます

CDも早く聴きたいな
ライヴ、楽しんでくださいね
Posted by ベル at 2008年04月19日 08:27
ちょっと驚きでした。私のカキコで、阿部さんが気づかれることがあるなんて(@.@)
なにかとてもムズ痒く、恥ずかしく、そしてありがたい気持ちになりましたm(_ _)m

そして、とても勇気づけられました。
> 実際にはそれほど格好よくも格好悪くもないんだな
> それぞれに同じ重さの人生があるわけで、あなたの人生も僕の人生も、比べようのないオンリーワンの存在ですね
> どんな人生もそれでパーフェクトなんだ
いずれの言葉にも重みがあり、納得でした(^_^)

私はサラリーマン人生に疑問を感じ、30歳で脱サラしました。
広告代理店勤務時代はコピーライターでしたが、田舎ではコピーだけでは飯が喰えませんので
小さなデザイン事務所を立ち上げました。
ちょうど阿部さんが芸能界を引退されたのと、同じ年代ですね。

しかし、自由業と呼ばれる人種ほど不自由な職業はありません。とくに時間とお金に関しては…。
そんなわけで、ときにサラリーマン生活とついつい比較してしまう…なんてことも(>.<)

でもそれはムダ。阿部さんの言われる通り“どんな人生もそれでパーフェクト”なのです。
今日はとても清々しい気持ちです。ありがとうございましたm(_ _)m
Posted by 久村 at 2008年04月19日 12:58
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