2007年11月18日

親として

親として


どんな日曜日を過ごしていますか。

このところめっきり涼しくなったね。


なんて言いながらも、あいかわらず半袖のTシャツ一枚なんだから、沖縄はやっぱり暖かいのかな。




宮古島はさとうきび畑が広がっていて、時間が止まったみたいだった。

沖縄本島とはまた一味違った趣のある島だ。


でもそこに暮らす人が抱える問題は、どこもあまり変わらないみたいだ。




講演が始まる直前、ある女性から相談を受けた。


「最近、子供が高校に行きたがらない。強く言えば反発するのでこれ以上は言えない。でもそうすると子供の思い通りになってしまって、どうしていいかわからない」

それが悩みで、疲れきっているみたいだった。

でも話を聞いてみたら、わが子よりずっと一生懸命に勉強してきていた。



その女性は2日間の講演会の両方に参加してくれて、終わった後に「すごく気が楽になった」って涙ぐんで喜んでくれた。


だからといって、すぐに現実が解決したわけじゃない。

でも彼女の気持ちが楽になれば、家族みんなの気持ちが前向きに明るくなるだろう。




子供も高校生くらいになれば、もう大人と同じような理解力を持っているので、親の言うことの中に矛盾や社会の形式だけを押し付けているような点を見抜いている。

だからたいていの場合、押し付けてもことは動かない。


その子が自らその気にならない限り、何も解決しないだろう。


じゃ、どうしたらいいのか。

それはそれぞれの親子関係で違うだろうから、一言では言えないけれど、僕の家の場合を話そうか。




僕は以前、テレビゲームばかりやっているわが子に、ギターを教えたいと考えていた。

ところがまったく興味を示さない。


親としたら、将来子供がロックスターかなんかになって、会場の片隅でそんな息子の晴れ姿を見て・・・なんて淡い夢を持っていたのだが、それは無残にも打ち砕かれた。


だいたい、そんなふうになってもらいたいのは僕であって、彼の人生は僕のものじゃない。



まったくあきらめていたら、最近になってギターを教えてほしいって自分から言ってきた。

どうやら高校で知り合った友達と、ロックバンドを結成したみたいなんだ。


エルレガーデンというバンドの曲をやるから、自分のパートを教えてくれって、まったく弾けない子が何を甘いことを言っているのかって思ったけど、これはチャンスとばかり特訓を始めた。



けっこう夜遅くまで練習していて、ひとつできるようになる度に喜んでいる。


またそのうち放り出してしまうかもしれないけれど、僕は彼の人生の流れを信頼している。

何がどうなろうと、きっと乗り越えていけると信じている。


彼以上に彼を信じている。


子供は子供なりに、自分のことを考えているんだと思う。

外からはうかがい知れないけれど、きっと将来に対する不安や、自分に対するさまざまな感情を持っていることだろう。



僕ら親にできることは、子供が自分に自信を持てるように励ましてあげることじゃないだろうか。

君は君のままでいいんだということを、欠点をたくさん抱えたありのままの姿、それが人間なんだってことを教えてあげて、気を楽にさせてあげることじゃないだろうか。



もし子供が木に登り始めたら、やみくもに「危ないからやめろ!」と言うよりは、黙ってその姿を見ながら、もし落ちてきたときのために、気づかれることなく木の下で命がけで受け止める準備をしているような親でありたい。


親であるのと同時に、仲のいい友人でありたい。

親子の立場や役割を離れても、一対一の人間同士として対等に関わりあえるような仲でいたい。



そして彼には、このことを伝えていこう。



自由に生きたらいい。

どんなときも、何があっても、僕はいつだって100%君の味方だから。


僕が生きている間は、何があっても君を守ってあげよう。

僕が死んだら、その現実を受け入れて、そのときの自分を生きなさい。


人生は結果のないゲームだから、あまり深刻になりなさんな。



今日もいい日でありますように。



最後まで読んでくれてありがとう。







Posted by Toshiro Abe at 09:31│Comments(13)父と子
この記事へのコメント
阿部san。タイムリーなメッセージありがとうございます。今息子の事で放送にメールしたとこです。息子の人生の流れを信頼して。。。彼以上に彼を信じて。。。木の下で命がけで受け止める親!!そぅなれるよぅ。。。ありがとうございます。感謝!
Posted by トトロboo at 2007年11月18日 10:32
今日のお話に感謝します。

子供の抱える心の問題に対して、親である私は何ができるのか。
一度クリアできたと思っても、ちょっとした出来事で不安の渦へ巻き込まれてしまう繰り返しです。


>、黙ってその姿を見ながら、もし落ちてきたときのために、気づかれることなく木の下で命がけで受け止める準備をしているような親でありたい。

私もそうありたいです。「気づかれることなく」が難しそうです。
Posted by M/A at 2007年11月18日 11:07
息子 音楽をやってもらいたいがため 音にならすために 夜中カチャンの店へ  怒られた すぐ帰ってちょうだい うむいわさん かっちゃん みかけは
アッポウみたいだけど このお店だけ 断られたのは 琉球カ~ボ~イ~ズ
よろしくございます?一番の常識人だった ちなみに息子幼稚園生?
アッポウな親父より?
Posted by ミトコンデリヤ at 2007年11月18日 11:36
阿部さん 宮古今ここ塾ありがとうございました。

その場にいる人で話が変わると話されていましたが 大好きなお釈迦様の話

が聞けて 大大満足でした

ぎゃあてぃ ぎやあてぃ も歌ってくださり みそがれました

同行してくれた友人も 体に入ってくる歌を初めて聞いたと

感動しておりました。

宮古 今ここ塾 実現間違いなしですね

お待ちしてます。
Posted by みやこぶったちゃん at 2007年11月18日 12:14
私はシングルで中3の娘を育てています。
まだ、結婚してる頃、別れた旦那と娘の将来について、いろいろ、話し合いました。
2人で出した結論は。。。《本人がやりたいことは、なんでもさせて、
娘が将来やりたいことは、本人が、決めたらいいね》と、
目標を掲げて、離婚はしましたが、
今でも、娘の父親として。。。私は娘の母親として。。。
連携をとりあって子育てをしています。
中3ですので、来年は受験。
娘は、(高校へ行く意味がわからない)(勉強はしたいが、どこの高校へ進みたいかわからない。。。)
私は、娘に、(いろんな高校の説明会行こうか?
それとも働きながら独学で勉強する?)
娘は、(どっちもいいね!)と、喜んでいました。
高校説明会と会社の体験お仕事やら、楽しんでやってました。
それで、那覇の高校を自分で決めて、先生に話したそうです。
受かるかどうかもわかりません。。。
でも、これで、よかったと思っています。
Posted by パピヨン・フィーフィー at 2007年11月18日 12:57
私はまだ22の学生ですが、親になったら【気付かれないように助けてやれる準備をして見守る】ような親になりたいです。
Posted by あさみ at 2007年11月18日 13:03
阿部さん お疲れ様です子供は親の背中みて
育つと言われますが、
まさに、その通りだと思います。子供が小さい頃は、良く怒っている記憶しか残っていません
子供が成人となってからは、反対に怒られてますよo(^-^)o
たまに、娘と息子に昔の事を話します
お母さんが怒った時の
(>_<)は、鬼みたいだったと。
息子が、登校拒否が続き学校を辞めたいと相談あった時、息子と沢山話あった結果、息子に任せました。高校中退しましたが、現在は社会にでて
活躍してますよ
お店の店長をしています宮古のお母さんの気持ちよく解ります 頑張って下さいね
Posted by みなみ at 2007年11月18日 14:13
 宮古島からです。

一緒に参加した友人も、相談した女性の方と

同じような感想を、いってました。
 
喜ばれるとうれしいから、次回はもっと友人を誘おうと思っています。
Posted by 宇宙商店ウルル宇宙商店ウルル at 2007年11月18日 14:18
阿部さん 宮古島 講演 有り難うございました。

毎日のように阿部さんのブログよんでいます。宮古島での初 「いまここ塾&

コンサート」 最高でした。 活字で読むのと 違って 阿部さんの 大声 で  
身体全部で 話される 話は、とても  意味深い 講演でした。

  また・・来てもらえる日 まで まって います。   

  ps: 講演会場の ご夫妻 スタッフ 様 暖かい お茶 暖かい 気配り 
 
      有り難うございます。   

 
Posted by kodemari at 2007年11月18日 16:26
沖縄に住んでいれば 公演も聴けるのに 残念です 私は2回目の結婚をして13年になりますが 主人の暴力 毎日の暴言に耐えられず 子供をおき 実家におります 子供の事を考えれば 何を去れても一緒にいたほうがいいのでしょうが 一人の人間として 自分の居場所を探して いまこうしています 先生の本とブログを頼りに 流れにまかせたいです
Posted by ことぴん at 2007年11月18日 22:56
コメントありがとうございました。

宮古での「いまここ塾」は、継続していきたいと考えています。
このような形でお役に立てるのは本望です。

ことぴんさん

僕には何もできませんが、想いと現実を一致させていくことは、その気になれば誰にでも可能だと思います。

何がうまくいっていないのか、問題のありかがわかれば、問題の80%は解決しています。

意外に、それが自分の中にある場合が多いです。
もし混乱してきて辛かったら、遠慮なく僕にメールしてください。

あなたは携帯からの投稿のようなので、メルアドを書いておきます。

imacocoa@nifty.com
Posted by Toshiro AbeToshiro Abe at 2007年11月19日 00:17
ことぴんさんへ

十三年も本当に大変でしたね(T-T)

つい4ヶ月前の私と同じ所があったので、少しでも心が軽くなればと思い、コメントしてしまいました。

気にさわったら、本当に本当にごめんなさいm(__)m

でも今の気持ちを嘘、いつわりなく書きます。

脱出おめでとうございます(本気ですよ(^o^)v
今は、罪悪感なんて捨てて自分が安心してじっくり落ち着ける所で、身も心も休まれたらなあと思いました。

お子さんは大丈夫!

絶対大丈夫ですよ。

子供の幸せはお母さんの幸せ。
お母さんの笑顔が生きる源
半年前は夢にも思いませんでした・・・ドラマの様な修羅場や本当に色々ありましたが、今思えば自分を取り戻す第一歩だったみたいです(^o^;)

心づよい阿部さんもついてる事だし、安心して過ごされればと思いました。

こんな励まししか出来なくてごめんねf(^_^;)
Posted by ターコイズブルー at 2007年11月19日 03:23
60億分の1の幸せを着実に実行出来る人間に成れる様に全力で協力することが、私にとっての幸せであり、私に出来る事の中でも最高の世界平和への貢献だと思います。責任をもって楽しみながら出来るのは、世界平和の60億分の1でしかないから
Posted by 神ng soon at 2007年11月19日 07:04
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