偉大なる気づき

Toshiro Abe

2007年02月27日 22:32




やっぱり「いまここ塾」で好き勝手に喋らせてもらうと、大切な何かを思い出す。



若い頃、僕は誰のことも信じられなかった。

どんなに経験を積んだ人の話も鵜呑みにしたことはなく、いつも心のどこかで疑っていた。


そうやって人を疑っている自分自身を疑ることは決してしなかった。


自分の傲慢さと愚かさに初めて気が付いたのは、ずいぶんと年齢がいってからのことだ。





ある時、インドの著名なマスターのもとに、その国の大臣が訪問した。

何かためになる教えを授かろうとしてのことだ。


教えを乞う大臣にマスターは言った。


「そなたへ特別に教えを授けよう。まずは外に出て、よろしいと言うまで空を見上げていなさい。」



大臣は外にでて空を見上げた。


その日は雨が降っていて、その雨足が容赦なく彼の顔を叩きつけた。




5分くらいそのままの状態で頑張っていると、さすがにやっていることがバカバカしくい思えてきた。



やっと「よろしい」の声がかかった。



マスターは尋ねた。

「どうじゃ、何か気づきはあったか」



「どうもこうもない!雨が顔に当たって、自分が馬鹿に見えましたよ」




「ほらみろ。たった5分で偉大な気づきだとは思わんか」





わかる?

この大臣は僕らの象徴だよ。



そして僕らは自分の馬鹿さに気が付いていないときてる。



自分が馬鹿だと気づくのは偉大なる気づきだよね。


そして謙虚さが訪れ、教えが初めて身になっていく。



それまでは、自分のワクの中から何でもかんでも判断してわかったつもりになっているだけさ。





それじゃ、また明日。




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