自殺したいって思ったことある?
僕はあるよ。
最初は高2の時だった。
親元を離れた寮生活で、学校にも友達にも馴染めず、何ともいえない孤独感の中で、生きていても仕方ないって思ったっけ。
猛スピードで走り去るトラックに後ろから轢いてもらいたいと願って、歩道のない国道を車線ギリギリに歩いていた。
自殺じゃ親が哀れだけど、交通事故じゃ仕方ないと思ってくれるかなって、変な理屈を持っていた。
その重い倦怠感がスっと消えたのは、中学の頃の友人からの一通の年賀状だった。
僕を忘れずにいてくれた事がとにかく嬉しくてね。
たったそれだけのことで、あ~僕は一人じゃないって思えた。
年賀状を出した本人はそんなつもりじゃなかっただろうけど、今でもそこに書かれた絵柄をはっきりと覚えている。
ほんの小さなことで救われることってあるんだなって思った。
その後も死にたいと思ったことは数え切れないほどある。
でも本当には死ぬ勇気もなくて、「死にたい」と考えることで、その時の自分の悩みや苦しみを慰めていたのかもしれない。
だって、その気になれば死という手段があるって思えば、少し気が楽になるしね。
30歳になったばかりのころも、毎日のように死の誘惑の中で暮らしていた。
その時は仕事も人生も八方ふさがりで、この先どうなっていくのかすごく不安だった。
自分という存在が無くなってしまえば、どんなにか楽だろうって、そのためには死ぬしかないって思っていた。
そんな絶望的な毎日の中で、何の前触れもなく「真理」が僕を照らした。
それまでまったくの無神論者だった僕が、生まれて初めて魂や霊性に触れた瞬間だった。
いま思うのは、自殺しても「自分」は死ねないって事。
自殺は無知な手段だって事。
でもあの時は、「自分」が根底から死んだんだ。
生きながらにして、僕自身が完璧に消えた。
「僕」という幻想が、霧のように消えてしまった。
そこに想像を超える祝福が待っていたんだ。
僕たちがいつも限りない愛の中で守られ生かされている事を目の当たりにした。
僕は思う。
自殺したいくらいに人生に疲れ、悩み苦しんでいる人は、大きなチャンスの前にいるって。
それは人生にいいことが起きて、また希望が持てるとかいう話じゃなくて、根底から自分が変わり、永遠の救いに到達する、そんなチャンスを迎えていると思う。
毎年おびただしい数の自殺者がいるよね。
9年連続で、自殺者の数が3万人を超えたんだって。
この10年間だけでも30数万人の人間が自ら命を絶ったことになる。
救急車や病院で命が助かって、自殺未遂に終わった人はこの4倍。
自殺願望者にいたっては、この10倍以上の数にのぼるという。
その理由は様々だろうが、この中には、もし近くに真理に導いてくれる人がいれば、人生最大の好機を迎えていた人が数多く含まれていると思う。
そんなことを考えてラジオなどの活動をしているのは、僕自身が通った道だから。
ほんのわずかでも、力になれたらと思う今日この頃です。