有漏路より無漏路へ
たった30秒でも静止状態になれば、その時、エネルギーがプールされていると伝えましたね。
それがあなたを魅力的にしていきます。
その反対に、あれやこれや思考の世界につかまり、出来事に巻き込まれている状態は、エネルギーが漏れ続けています。
眉間にしわがより、生活に摩擦が生じ、心身共に消耗していきます。
このように、エネルギーが漏れたままの生き方を「有漏路」(うろじ)と言います。
通常の僕たちは有漏路の人生を歩んでいます。
一方、ピタリと静止し、自覚がさえわたり、感覚がリフレッシュしている状態を「無漏路」(むろじ)と言います。
あなたがストップ!したときは、まさにその状態にあります。
瞑想は何かを達成するための手段ではありません。
瞑想そのものがゴールであり、それはいまここに寛ぐことです。
その中に、一体性(ワンネス)への気づきが待っています。
今生において、いかに無漏路を体得するか、それだけが人生の目的と言っても過言ではありません。
その時、人生そのものがくつろぎに変わります。
たとえ、雨が降ろうと、風が吹こうと、大空のように澄み切った意識は、何も影響されることはありません。
ちょうど、どんな天候の時も、大空自体は何も影響されていないのと同じです。
それが僕たちの本質であり、すでに誰もの中に備わっています。
それは努力して獲得するものではなく、最初からすべての人に無条件に与えられている宝です。
もう一度言いますが、その時初めて人生が寛ぎに変わります。
無漏路にいるときは、まさに「一休み」です。
その状態を、自らの名前にしたのが、有名な禅僧、一休さんです。
一休は自分の名前を表す、ひとつの歌を詠んでいます。
今日説明した内容そのままが、一首の歌になっています。
最後にその歌を紹介しましょう。
有漏路より無漏路に帰る
一休み
雨降らば降れ
風吹かば吹け
日々是好日