過去の傷 Ⅱ

Toshiro Abe

2009年03月26日 09:38

昨日の記事を書いた後に、虐待やレイプなど、生々しい体験を経てきた人たちに対して、僕の言葉はどれくらい役に立てるのかと考えてしまいました。

しかし一方で、みなさんから寄せられたコメントを読んでみると、みなさんの理解の深さが伝わり、僕はなんて素晴らしい人たちと共にあるのだろうと嬉しくもなりました。

文章とは、単なる言葉の羅列であるのと同時に、その行間から意味を超えた意味を伝えることができる、そんな力もあるように思いました。




「いま」に徹底すれば、あらゆる苦悩が消え去るというのは本当です。

しかし、「いま」に徹底するとはどういうことなのか、そのことを理解することが先決かもしれません。


いまこの瞬間というものを、今まで無数にあった瞬間や、これからも無数に訪れる瞬間のうちの、ひとつの瞬間と考えてしまう人がいます。

そのように考えると、いまこの瞬間というものが、あまり大きな価値を持たなくなります。


しかし実際には、いままでのあらゆる瞬間も、この先のあらゆる瞬間も、そしていまこの瞬間も、ひとつの同じものなのです。


瞬間とは短い時間のことではありません。

どんなに短い時間でも、そこに長さが存在してしまいます。

そうすれば、その中にまた無数の瞬間が存在することになります。


「いま」というのは時間のことではなく、時間を超えた意識のレベルのことです。


通常僕たちは時間の中に暮らしています。

言い方を変えれば、思考の中に存在しています。


実際には思考と時間は同じもので、それが自我という幻想の素材になっています。

このことは今までにも説明してきましたから省きますが、「いま」を生きるというのは、自我を超えた自分として存在するということです。



それでは自我を超えた自分とはどのようなものか。


その世界では、自と他の境界線はなく、すべてがひとつにつながっています。

そこにおいて初めて、あらゆる出来事は幻想にすぎなかったことを知ります。

傷つけた人も、傷つけられた人も存在せず、つねに「いまここ」で、自分(全体)の意識が夢の中で戯れていただけだったことを知ります。


それが真理であり、僕たちの本当の姿です。


どんなに深く眠りこけて、この現象界に取り込まれようと、本当の自分は何一つ影響されずに、いまこの瞬間も、完全なる姿で存在しています。


いいですか、これは「あなた自身」のことですよ。


いままでにどのような辛い出来事があったとしても、「あなた」という本当の存在は、何一つ傷ついていませんし、汚れてもいません。

あなたの本質は、どこまでも無垢で、純粋な存在です。


表面的にはそう思えないかもしれませんが、僕の話は本当です。

この話が信じられないとしても、せめて、ここで真剣にそのことを伝えようとしているこの事実は認めてください。


そして自分が、その本来の自分に戻りたいと願ってください。

道はそのようにして始まっていきます。



人生という夢の中で、夢から覚めたいと願うのは稀なことです。

しかも実際に、目覚めるために一歩を踏み出すことは、さらに稀なことです。


このブログが、そんな志を持った人たちが集う場になれたらと思います。


もうすでに、そうなりつつありますね。


昨日の記事を書いたあと、僕だけの表現力では心もとなかったので、北海道に住む知人に電話をかけ、記事の補足をお願いしました。

彼も僕と同じような理解を持った人間ですが、ジェネレーションが違う分、表現の仕方も変わってきます。


あの世に聞いた この世の仕組み」に書いてくれました。




そして繰り返しますが、昨日いただいた皆さんからのコメントにも、多くの真実が語られていて、大変嬉しく思いました。




過去の全ては、もう終わったものとして置いていきましょう。


虐待にあった人、レイプにあった人、深く傷ついた人たちに伝えます。



何一つ、あなたのせいではありません。

そしてあなたは、いまも汚れなき純粋な存在です。




あなたが傷ついて苦しんだ分だけ、目覚めの時に深い喜びを体験することになるでしょう。

それはあなたに与えられた宿命であり、恩恵です。




今日もここに来てくれてありがとうございました。




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このような話は、実際に会ってお話しするのが一番なので、沖縄では毎週「いまここ塾」という講演会を開いてきました。


5月からは、東京でもマンスリーで開催する予定です。

いまのところ、5月17日、6月14日が決まっています。

詳細は、また後日お知らせします。


関西では、4月5日に「いまここ塾in大阪」を開催します。



4月8日から毎週水曜日の夜は、那覇市でも行っていきます。

追ってお知らせします。