三位一体 その2

Toshiro Abe

2020年10月02日 09:40

まずは今日お話しする三位一体の定義について説明しておきます。

西洋では父(全体神)と子(キリスト)と精霊(ホーリースピリット)を三位一体としますが、これは神の三つの側面を表しています。


今日お話ししたいのは我々人間のことで、これを魂と肉体とマインド(思考)に別けてみました。

そもそもこの三つは別けられるものではなく、本来は一つの全体として機能しています。


でもこれらを別けて考えることで見えてくるものがあるので、今日はそんな話。



人間が三位一体として動いているときはバランスが取れています。

しかしこの中のどれかが主導権を持ち、一つだけが突出して他の二つが従属するとき、そこには不自然な状態が生まれます。


これが我々が陥ってしまった状態です。


マインドが完全に主導権を握ってしまったのです。

こともあろうに、三つの中で一番愚かな部分が主導権を握ってしまいました。


魂に内在する根源知性は、真理へのダイレクトな直観を携えています。

我々が気づかないだけで、何度もこの直感に助けられて生きてきました。

新しいアイデアや芸術もここから生じています。


肉体に内在する知性は、奇跡としか呼びようのないものです。

いまこの瞬間にもあなたの肉体は、無数の複雑な活動をバランスよく行っています。

食べ物の消化も、血液の流れも、極めて微細で複雑な働きです。

これらを司っている肉体の知性は神業以外の何物でもありません。


一方のマインドはどうでしょう。

最も知的な振りをしていますが、言うまでもなく最も愚かです。

その証拠に少し観察してみれば、完全に分裂し、支離滅裂なのが分かります。


ところが我々はマインド(思考)を信頼し、それに振り回されながら生きてきました。

最も愚かで、もっとも卑小なマインドが、人間という存在の主導権をとってしまったのです。


だから幸福など訪れようがありません。

幸福とは三位一体である全体が、バランスよく健全に機能している状態なのだから。





またかと思うかもしれませんが、だからこそ瞑想が必要なのです。

瞑想とは全体性に戻ることであり、マインドの支配を弱め、霊的直観と肉体機能を向上させていきます。


そうやってバランスが取れたとき、人は瞬間から瞬間へとフレッシュに移行しながら、人生を実りあるものにしていくのです。

これが真に豊かな人生への道です。



今日はマインドに一休みしてもらいましょう。


マインドを消すことを目指す人がいますが、それも極端な話です。

生きるにはマインドも必要だからです。


大切なのはバランスをとること。

我々は三位一体と呼ばれる全体なのです。



今日は一日、マインドを静めることを意識して生きてみませんか。

それだけでも人生の風味が変わってきますよ。




天河は今日も快晴です。

大銀杏の葉も少し色づきはじめました。


これから本格的な秋ですね。