覚りの授業

Toshiro Abe

2019年03月25日 09:24

来てくれてありがとう。








ここで話している内容は、あなたが生きてきた人生を根底からひっくり返す話です。


にもかかわらず、あなたがこのような話に関心を持ったとしたら、時が来たということ。


何事も時節が到来しなければ起きません。



夢や希望が、どこにも連れていかないこともわかってきました。


人生の不条理を見抜き始めたあなたは、本当の意味で苦しみを終わらせたいと願っていることでしょう。


その一方で、まだ人生には何かがあるという期待が完全に消えたわけではないので、しばらくはその両方が引っ張り合いをします。



たいていは元の習慣に戻ってしまうのですが、中には新しい在り方が定着してくる人もいます。


新しい在り方とは、いまここに対する気づきと安らぎです。



定着させるためには、このような情報に触れる機会を増やしていくことと、実際にそれを生きようとすることです。



たとえば、ある時不意に昔の自分を思い出しました。


周りから理解されずに、いつも傷ついていた自分です。


その時のエピソードと共に、胸のあたりにひび割れのような痛みが走りました。


その頃いったい何があったのか、どんな自分だったのか、本当はどうしたらよかったのか、そんな考えがとめどなく続いていきます。


そしていまの自分の中には、まだその頃と同じ質があることに落胆し、なんとか自分を変えたいと願います。


すると今度は、今日あるはずの就職の面接が頭をよぎりました。


おどおどして、暗い印象を持たれてしまうのではないか。


そう見られないためには・・・




これらすべてをストーリーと呼びます。

そして極めて多くの人達が、ストーリーの中を生きています。



ストーリーは身近なことから、遠く離れたこと、昔のことから未来のことまで多岐にわたっています。


それらはすべて思考が作っている世界であり、端的に言えば、人は一日中考え事の中で生きているのです。


そしてその考え事の世界が、リアルなものになってしまいました。




実際は、いつもここに、あるがままのいまがあるだけ。


ただこれだけです。



いまもね。



この態度が定着してくると、たとえば先ほどのように、昔の自分という思考が出てきたとしても、


その思考に参加するのではなく


「いま、そのような思考が湧いた」


として終えてしまうようになります。



思考の内容は過去や未来のことだとしても、その思考が湧いたのはいまです。


いつだってすべてのことは、いま起きているのだから。


今日から、どんな思考が湧いたとしても、


「いまそのような思考が湧いた」


というふうに、思考という現象を客観視して、それで終わりにしてみましょう。


そうやって新しい在り方をレッスンしていきます。



新しい在り方が定着してくると、どんどん気楽さが増してきます。


最初のうちは、現象を観察している自分が残っていますが、やがてそれも消え失せて、ただ「気づいている」という状態が訪れます。



その気づき(認識・意識)が本当のあなたであり、永遠不滅の宇宙なのです。



それはいまもあなたとして、すでにここに在り続けています。