偶然の一致

Toshiro Abe

2017年12月14日 10:08

昨日ニューヨークに住むN君から、実に30年ぶりに電話がありました。


彼と最初に会ったのは1985年の冬。

当時担当していたアーティストのレコーディングで、初めてNYにわたった時のことです。

そもそも僕が行くはずではなかったのが、いくつかのアクシデントが重なって、まるで押し出されるようにして渡米することになりました。


人の紹介でN君と出会うのですが、すっかり意気投合して、今度は彼のほうが日本に来ることになりました。

当時、お互いに30歳くらいでしたが、彼は子供のころにアメリカに移住したっきり、日本に帰るのは初めてのこと。


日本に対して、まったく興味が持てなかったそうです。

それくらいNYの風土が気にいっていたのでしょう。

そんな彼が、僕に会うために来日するのですから、よほど気が合ったのだと思います。


その後、とんでもないことが分かります。

お互いの父親が、数十年来の親友だったのです。

しかもそのまた父親同士が、並々ならぬ関係にありました。

祖父の時代の因縁がわかったのは、まったく別の理由からで、そのことは父親同士も知らなかったことなので、ビックリしていました。


親子三代にわたる因縁。


それが異国の地で出会うのですから、偶然の一致とはいえ出来すぎです。





そのとき僕は思いました。

人生で出会う人も、起きることも、すべては巨大な仕組みの中で寸分の狂いもなく起きているのではないだろうかと。

しかもその仕組みは時空を超えていて、人間には到底分かり得ない、神秘かつ摩訶不思議なものだと。


その仕組みを司る知性を、遺伝子工学の村上和雄先生は

「サムシンググレイト」

と呼びます。


数年前に村上先生と何度かコラボ講演をさせて頂いたとき、控室で昔話になりました。

先生が大発見を目前にしていた当時、十分な研究施設が無く、このままだと世界に追い抜かれてしまうのは時間の問題だったそうです。


そして学会でドイツに行った時、意気消沈してドイツの田舎町の場末のバーで、一人やけ酒を飲んでいると、そこに一人の日本人がやってきました。

見ると当時ドイツに住んでいた京都大学のN教授で、Nさんは村上さんの話を聞くと

「じゃ、僕の京大の研究室を使ったらいい」

と言ってくれたのだそうです。


そのおかげでノーベル賞候補になる発見につながったわけで、もしあの時、あのバーに行かなかったら、もしN教授と出会わなければ、いまの自分はないと仰っていました。

このエピソードは、何度も本に書いたそうで、よほどインパクトがある出来事だったのでしょう。



ニューヨークのN君と、ドイツのN教授。

同じNで紛らわしいですよね。


実は同じ名前です。

それどころか、N教授はN君の叔父さんなのです。


ガビョ~ン!!

でも、もう驚かない。

たぶんこのような偶然の一致は、わからないだけで、そこら中に溢れているのだと思います。


あなたの身に起きた偶然の一致があったら教えてくださいね。


要するに、我々は大いなる知性と大いなる仕組みの中で生かされている。

表面的にどう見えようと、みんなそれぞれに大事なパーツを担っているわけで、上も下も、偉いもヘッタクリもありません。


そう思うと、何が起きてもお任せの境地。

今日もこうして安心して生きているわけです。

あなたもどうぞ、いっしょに安心しましょう(^^)



最後まで読んでくれてありがとう。



ありがとうついでに、こっちもありがとう!

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